テレワークによるコミュニケーション不足やストレスを打破し、クリエイティブな発想の礎になるマインドフルネス研修を定期開催
◆会社名:日本たばこ産業株式会社
◆ご担当:医薬事業部 事業管理部次長 人財育成チームリーダー 柴田勉様
◆企業概要:
JTグループは、70以上の国と地域で事業を展開するグローバルたばこメーカーであり、130以上の国と地域で製品を販売。たばこ事業に加えて、医薬事業と加工食品事業も展開。
<実施概要>
医薬事業部を中心に手挙げ式の研修として実施。「マインドフルネス入門編」というタイトルで3時間のプログラム。オンライン開催で当日の参加者は65名。
Q:今回の研修を導入された背景はどのようなものでしたか?
マインドフルネスを色々なところで耳にすることが多くはなっているのですが、マインドフルネスの実態はよく分からないというのが現状かなと思います。
私自身、元々シリコンバレーにいたこともあって、5年ほど前にGoogle社がされているマインドフルネスに興味を持ち、クリエイティブに仕事をしていくということが今後、必要であると感じていました。その中でGoogleが取り入れているマインドフルネスがどういうものかを自分でも体験をしながら模索をしていたところです。
クリエイティブに物事を考えていくにはマインドフルネスの「あるがままに受け容れる」ということが最初になければいけないかなと。最近の効率重視、成長至上主義だとバイアスがかかって物事を見ていますので、まず、あるがままに受け取るというのがクリエイティブな発想をしていくには重要だと考えていました。マインドフルネスはそこに効果がすごくあるのではないかということで今回の導入につながりました。
とはいえ、マインドフルネスが十分に認知されていないということもあります。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークが弊社もここ1年半以上導入されていますので、それによってのコミュニケーション不足、ストレスや孤独感が追い風になって、マインドフルネスで働き方改革のネガティブな側面に訴求できるのではないかとも考えました。
今回は、その2点から導入させていただきました。
Q:㈱ライスボールを選んだ理由を教えていただけますか?
マインドフルネスも最近は色々なところがされているのは知っていましたが、マインドフルネスをちゃんと分かっている方が展開されているものかどうかが重要だと思っていました。
禅であれば日本発祥となると思いますが、マインドフルネスはアメリカで禅というものをマインドフルネスと捉えて、それを逆輸入みたいなかたちです。
ライスボール社では清水ハン栄治さんがそのマインドフルネスを理解して日本で展開されているということで、御社のマインドフルネスは日本でいうマインドフルネスの原点とも言えますので、信用して導入できるかなと思いました。
また、谷口さんの小冊子には、無意識・無自覚な状態でいかに我々が仕事をしているかということが書かれていました。マインドフルになっていないことによる弊害については、仲間内でも「なんとかしないとね」と話していたところだったんです。あとは谷口さんのお人柄も大きな追い風になっているかなと(笑)
ともするとマインドフルネスは敷居が高いと感じさせるところもありますが、小冊子のミドルのマネジメント層についてなど、谷口さんの実体験はすごく親近感が湧く内容でしたね。
Q:開催してみていかがでしたか?
参加者が研究開発メインで理系の人が多い状況で、マインドフルネスがスピリチュアルみたいな印象を持たれると困るなと思い、セミナーのタイトルに入門編とつけて敷居を下げて展開しました。
弊社メンバーは、マインドフルネスには前から興味があったということで、今回でさらに認知度が上がったように思います。
でも、実際にどこまで自分たちで試しているかはわからないところはあります。
ビジネススキルとしてのマインドフルネスはこれから必要になるかもね、と認識されたというのが開催後の印象です。
(今回の講師の)井上広法さんのバックグラウンドからエビデンスベースでお話をしていただけるので、脳科学の話は参加者の腹落ち感があって非常に好評だったと思います。
サイエンス、科学の特性なんですけれど、ひとつのところが理解できるとそこから次にどんどん派生していきます。今回のように脳科学がわかると、そこと心理学やストレスの関係などを言い出す人たちもいますので、今回の1回ということではなく複数回開催していき、マインドフルネスの効果効用を理解してもらえるようになればいいかなと思っています。
1回だと自身への効果というのを十分には体感できていない状態だと思いますので、今後は継続的にやっていくことで理解を深められるといいかなと思います。
Q:参加者の感想はどうでしたか?
マインドフルネス=スピリチュアルと思っていたのが、どうも違うなというような感覚を持たれた方が多かったと思います。
マインドフルネスの効果を感じるためにも次があるのであればぜひ参加したい!という前向きな感想が多かった印象です。
「マインドフルネス」という言葉を耳にしたことがあるだけだったが、どういうものかの理解が深まったというコメントも多かったですね。
継続したいという人が非常に多かったのは、コロナによるテレワークの影響が大きいかもしれないです。
Q:今後の展開は?
今後、シリーズ化する必要があると思っています。今回、入門編ということで第一関門は突破できました。それだけ興味をひいているのであれば、ここから先も開催する必要があるかと思います。
(マインドフルネスは)ビジネススキルという考え方からするとトレーニングして身につくものなので、1回やったからすぐに身につくものではありません。やはりそういう意味でも複数回の必要性はあるかなと考えています。
あとは、どういう効果効用というところにフォーカスするかが大切かと思います。マインドフルネスが万能薬かというと難しいところがありますけれど、実証されているところで言いますと、ストレス、コンパッション、リーダーシップなど今のビジネス環境に必要なところと結びつけたものを複数回やって、みなさんがビジネススキルとして使ってもらえるといいかなという構想でおります。
ファシリテータープロフィール
井上 広法
(いのうえ こうぼう)
- 浄土宗光琳寺 住職
- 浄土宗栃木教区 参事
- hasunoha 共同代表
- 未来の住職塾サンガ 副会長
- 寺子屋ブッダ プログラムディレクター/講師