集中力とビジネススキルを高め、マインドセットを根本的に変えるマインドフルネス&ジョブクラフティング
◆会社名:ランスタッド株式会社
◆ご担当:人材開発本部長 兼 CPO 志水静香様
◆企業概要:
世界39の国と地域に4,700以上の拠点を持つ総合人材サービス会社(人材派遣、アウトソーシング、人材紹介、人事サービス)。2011年に、ランスタッド(株)、(株)フジスタッフ、(株)アイラインの3社が経営統合。国内社員数は約2,300人。
<実施概要>
希望者を対象に、集中力を高め、仕事の取り組み方を抜本的に変える機会としてマインドフルネス(3時間)とジョブクラフティング(2時間)を実施。初回は30名、2回目には募集開始直後の申込が60名を超えた人気プログラム。すでに、3回目、4回目と継続開催が決まっている。
Q:今回、この研修を実施された背景はどのようなことでしたか?
A:現在のランスタッド社は、2011年に今の前進となる日本企業を買収して、今の形になっていますが、本当の意味でグローバル企業としての文化、風土を醸成してという部分では、まだまだ課題があります。和気あいあいとした雰囲気がある一方で、同一性が非常に高く、一人ひとりの個性が見えづらい。また当事者意識が薄く自分ゴトとして考える人が少ないという印象を受けました。新卒採用後に一つの会社に勤め上げるというマインドセットを持つ社員が多く日本型雇用管理の典型的なパターンだと感じました。現状への満足度が高い、社外で起こっていることに関心が低く、自分が何をしたいのか?これからどうしていきたいのかを考える機会がなかったのか、自分のwillを答えられる人があまりに少なすぎる。その事実に大変驚きました。組織の風土を変えるには、いろいろな仕組み、環境面の整備、研修プログラムの構築など、様々な方法がありますが、それ以前に、一人ひとりのマインドセットが変わっていかないと、組織に文化や風土を浸透させていくのは難しいのです。誰もが会社に入ったときには、何かしらやりたいことがあったはずです。人生の目的を問い、自分のやりたかったことを思い出して、一人ひとりのモチベーションや意欲を引き出すきっかけが必要だと考えました。
Q:本研修(マインドフルネス&ジョブクラフティング)を選ばれた理由を教えていただけますか?
A:様々なトレーニングがありますが、スキル系のトレーニングはアプリと同じで、根本のOS自体がきちんと機能していなければうまく動きません。私たちは皆、忙しい毎日を送っており、スケジュールは常にいっぱいで目の前のことを必死でこなしています。いつのまにか無意識に深く考えないまま時間を過ごしていることもあります。「自分は何者であり、何を成し遂げたいのか。どこに向かっているのか、さらにどんな生き方をしたいのか」自分と対話し、自分の状態を本当に把握しているのでしょうか?いろいろな研修に飛びつく前にまずは個の軸を整え、人間力を鍛えるワークセッションが必要だと思いました。自分の考えや意見を持つこと、やりたいことを口に出して周囲を巻き込んで実現に向けて努力する。本来、キャリアは人事が決めるものではありません。生き方を決めるのは私たち一人ひとり。達成したいキャリアを描き、能力開発に取り組み、主体的に人生をリードするのは自分自身です。マインドフルネス&ジョブクラフティングは、自分と向き合い、担当している仕事の中で自分にしかできないことや価値を見つけて、多様な仕事に柔軟に、そして主体的に取り組むようになるというコンセプトです。やらされ感で仕事をやるのではなく、自分にしかできないことを見つけ、やりがいや達成感を感じるようになる。そのためには自己認識や自分の状態を理解することが鍵になってきます。社員のやりがいとエンゲージメントを高めるためにこのプログラムを選択しました。
Q:実施してみて、いかがでしたか?
A:大企業になればなるほど、仕事のプロセスは細切れになりがちで、最終的なお客様に、組織の事業目標に、自分の仕事がどうつながり、どのように活かされているのかが見えにくくなります。ジョブクラフティングを通じて、会社の事業目標や提供しているサービス、そして自分の強みや、やりがいを感じる仕事を整理しました。どんな仕事でも、その仕事なりの価値や意味があります。仕事を可視化し、自分なりにデザインすることができる部分があるということに気づいてもらうことを意識しました。また、自分と向きあって自分が持っているスキル、強み、知識をどうやって役立てることがきるのかを考えてもらいました。様々な部署、役職の社員が参加しました。仕事に意味を持たせて、価値を見出せるかということを相互に伝えられる様なプロセスを経て、いろんな視点で自分の仕事を見られたことが良かったと思います。実際、プログラム中は、非常に盛り上がって、室内の温度が上がっていたように感じました。まっさらな気持ちで仕事を始めた理由、自分の心の持ち方で仕事は面白くなるということを体感してもらえたと思っています。90年代後半から、会社視点の「生産性」という言葉が重視されるようになり、仕事の意義や価値がみえづらくなってきています。自分の強みや得意なことを生かして主体的に取り組めばやりがいや誇りを感じることができるようになりますし、優れた成果につながります。これこそが、本当の働き方改革なのではないでしょうか。
Q:マインドフルネス&ジョブクラフティングを、企業で実施する有効性はどのような点でしょうか?
A:マインドフルネスとは、単に瞑想をすることではなく、目の前にある、そのことに集中する、全力を尽くしきるということだと理解しています。全力で取り組んでやった仕事とそうでないもの、そこに意識を向けるか否かで成果の質に大きな違いがでてきます。私たちのような人材に関わるビジネスを行っている組織では、目の前の顧客や候補者としっかり向きあう必要があります。傾聴し、共感し、信頼を得ることが非常に重要です。また今後は多様なバックグランドや価値観を持った人たちが一緒に働く時代です。自分の意見を持ち、しっかりと伝えることは当然ですが、それ以上に他者の意見に耳を傾け、理解し、尊重することがより一層求められるようになります。集中力を高め、自らと向き合い、自分の状態を把握すること、そして他者との関わり方、仕事のやり方を見直す機会を定期的に持つことは不可欠です。マインドフルネスの副次的な効果として仕事に対する達成感を高めるだけでなく、幸福度やエンゲージメントを向上させることができるといわれています。弊社は組織変革のまっただなか。新しい企業文化を作っていく上でもこのプログラムが大いに価値があると思います。
<プログラムの概要>
◆マインドフルネス:日々のビジネスにおいて、雑念に囚われることなく目の前の仕事に集中する力を高め、また、周囲と協働するための心を取り戻し、
チーム力向上を目指す(3時間)→ 詳細はこちら
◆ジョブクラフティング:仕事や仕事のやり方を見つめ直し、本質的な意味や目的について考えていく。同じ仕事でも、工夫や、ものの見方一つで、喜びや楽しみを見出せることに気づき、惰性で行なっていた部分に抜本的な変化を起こす(3時間)→ 詳細はこちら
ファシリテータープロフィール
清水 ハン 栄治
(しみず はん えいじ)
- TED Resident
- University of Miami MBA
- Search Inside Yourself初代講師
- Cultivating Emotional Balance講師
- Wim Hof Method講師
- メディア制作ネットワーク「すみません」代表
井上 広法
(いのうえ こうぼう)
- 浄土宗光琳寺 住職
- 浄土宗栃木教区 参事
- hasunoha 共同代表
- 未来の住職塾サンガ 副会長
- 寺子屋ブッダ プログラムディレクター/講師